魚付森に住む魚たちとの出会いをもとめて 2013年10月26日 「海老で鯛を釣りに行こう!」 船に乗って沖で釣りをする。ちょっと大変そうな遊びと思っている方、実はお手軽に楽しめるんです。まだ沖釣りの楽しさを知らない方や初心者の方へオススメの釣り船をご紹介します。という事で、今回は湯河原福浦港の釣り船「天恵丸」さんにお世話になり、沖釣りを楽しんで参りました。 釣り船は一般的に朝の便と昼の便の一日2回沖に出ます。今回は朝の便に乗船させていただきました。集合時間は5:00頃ということで日の出前に湯河原福浦港に半分寝ながらたどり着きました。太陽が昇り始めると海や山がオレンジ色に輝いてとても幻想的な世界です。この景色を見れただけでも結構満足。 「天恵丸」の船長、佐々木さんは、既に私たちの釣道具の準備をしていました。そう、私たちは手ぶら(魚を持ち帰るバケツだけは持っていますが)で釣りに来たのです。釣り道具はもちろん餌や、お持ち帰り用の氷まで用意してくれています。至れり尽くせりとはこの事です。 いよいよ乗船!堤防にある桟橋から船の舳先に少しドキドキしながら30cmほどジャンプして船に乗り込みます。ちゃんと渡れたぜ的な、ちょっとだけ達成感を覚えます。 ここで天恵丸の内部をご紹介。定員12名 3.6トンのこの船はトイレもあって女性も安心です。広々したデッキがあってゆったり釣りが楽しめます。 いよいよ出航です。朝日に照らされてキラキラ輝く海を進みます。ここで船酔いが心配な方へのご案内。写真右下の薬(センパア)はかなり効果のある酔い止めで、新幹線で乗り物酔いする当社スタッフが、これ一錠でまったく船酔いいたしません。かなりの悪天候の海でも試しましたが、酔う兆しすらなく怖いもの知らずです。 早朝の美しい景色と新鮮な空気を感じながら漁場へ向かいます。気分はほとんど漁師です。 向かいますといっても、港から漁場までは5分ほどで到着です。福浦港から西へ少し行ったところ、湯河原吉浜海岸の沖にある根が今日のポイントです。ここで「魚付森」をご紹介します。「魚付森」とは真鶴半島に広がる原生林の事で別名「御林」と呼ばれています。自然公園法で保護された原生林からの養分がこの辺一帯の海に流れ込み、豊かな生態系を造り出している事から、魚が集まると言われています。何ともロマンチックなお話じゃありませんか。という事で原生林の養分をたくさん吸収したお魚を釣ってやりましょう。 いよいよ実釣です。初めに餌の付け方などのご指導を佐々木船長からいただきます。 付けエサ:付けエサの海老は尻尾を少しちぎってお腹から針を通して背中に抜く。尻尾をとる理由は海中で海老が回転するのを防ぐため、お腹から針を通すのは背中の方が甲羅があるので海老が取れにくくなるためです。そんな工夫をして糸と海老が直線になるように付けて完成。エサ付けひとつでもなかなか深い。次はコマセ(魚を寄せる撒き餌)です。コマセを入れる籠にはコマセを一杯押し込まず、7分目程度に詰めるのがポイント!あまり入れるとコマセが籠から出なくなるからです。一通りのレクチャーを受けていよいよ第1投。 コマセ籠を先に水面に付け、その後に餌のついた部分をやさしく投入。リールのつまみを前に倒して一気に海底まで仕掛けを送り込みます。リールから糸が出なくなるのが海底についたという事で、そこから5回リールを巻いてひたすら待つのみ。とても簡単な作業です。しばらくすると竿先がピクピク「ん」、またまたピクピク「んん、これは」、その途端、竿先がぎゅーんと曲がり魚がかかった確信を得ます。「よーし」、一気にリールを巻き始めると、佐々木船長が「人が歩くスピードで」とアドバイス。はやる心を抑えてゆっくり引き上げていきます。途中、魚の引きが無くなり「あれれ逃げちゃったかな」と思うと「ググググ」、「いるいる」とほっとしながら巻き上げると、水中にキラキラした魚影が、「なんだ」「アジか、サバか、タイか」なんて言いながら最後の数メートルを楽しみます。上がってきたのは「ヒラダイ」、クロダイに良く似ていてあっさりした味のれっきとした鯛でございます。さすが船長「釣らせるねー」ほぼ船長の指示通りの作業でお魚ゲットです。 「海老は尻尾をとって腹から針を」「コマセは7分目」「底に着いたら5回巻く」「巻き上げは歩くスピードで」なんて呪文を唱えながら、たくさん魚を釣っていると、人間贅沢なもの、睡魔が襲って参ります。早起きのせいなのか、心地よい揺れのせいなのかわかりませんが、眠りの誘惑に勝てそうもありません。眠気覚ましに船内をウロウロ。舳先に立ったり景色を眺めたり少し休憩です。船上での睡魔は小田原厚木道路の運転に匹敵するほど強敵です。 とはいえ、魚が釣れればうれしいもので旨そうな魚をたくさん釣らせていただきました。 ご覧の通りこの釣果です。写真の主役を飾っている天然マダイも釣らせていただきました。マダイはいつみても美人さんです。おまけにアイシャドウまでしているんだから無敵の魚です。というわけで「天恵丸」と佐々木船長に大変お世話になりました。充実した沖釣りを堪能させていただきました。下船してもまだお昼前、とても有意義な一日が送れるのも朝釣りの醍醐味かもしれません。 皆様も是非、旅のアトラクションのひとつに沖釣りを楽しんではいかがでしょうか。